2016年01月03日

新年のご挨拶2016

あけましておめでとうございます。
新年を迎え、本年の皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

本年の年賀状に記載しました文章を以下に再掲し、ご挨拶と致します。

nenga2016.jpg
  
旧年4月から無所属となりましたが、海洋学の研究・教育の普及活動と科学コミュニケーション活動、理科教育・科学技術・震災復興政策に関連する種々のイベントに参加する機会や、美術館・博物館・茶席でゆっくりと時を過ごす機会が増え、充実した日々を過ごしております。今後も、焦らずに、自分で出来ることを、仲間とともに、楽しく続けていきたいと思っています。

 「豊かな想像力」と価値観の多様性を容認する「広い心」を持ち、自分の主義・主張・体面に拘泥することなく「合意形成」のための「対話」を重視する人々が一人でも多くなることを願っています。

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昨年の各活動の概要と今年の目標ほか、年賀状に記すことができなかったことを以下に補足します。
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posted by hiroichi at 16:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | 更新情報をチェックする

2015年09月17日

「海のゴミ」の集積海域

前回の7月11日から2ヵ月ぶりの更新になってしまった。この間、某英文誌投稿論文原稿の査読、共著論文再投稿原稿の校閲、「海の研究」編集長業務、サイエンスアゴラ2015出展準備のほか、科学コミュニケーション関連の種々のイベントへの参加などで慌ただしい毎日を過ごした。
参照:拙ウェブサイト「イベント参加予定・記録」

こうした中、9月12日に「海のゴミは最終的にどこに行き着くのか」をNASAが調べたところ、衝撃の事実が判明!!!と題する記事がNetgeekに投稿されているのを見つけた。この記事は、参考として、'Garbage Patch Visualization Experiment'と題するNASAのサイト掲載記事へのリンクを張ってある点は評価するが、その元記事とかけ離れた、とんでもない記述があるのを知り、思わず、
酷い誤訳。「白く映っているのがゴミの塊」ではない。35年間に放流した漂流ブイを同時に放流したと再計算した時から578日後のブイの位置。海面を漂うゴミは風と海流のため、一部の海域に集積する。

ツイート した。

このNetgeekの記事でリンクが張られている動画(8月21日YouTube公開,登録者:Sploid)はその出典が解説記事に明示されておらず、タイトルも「This is how garbage islands have formed in the last 35 years」という不適切なものであった。このため、この動画に代えて、9月1日にYouTubeにWorld Economic Forumによって登録された「NASA's Garbage Patch Visualization Experiment」と題する動画を下に示す。これは、上述のNASAサイト掲載記事に提示されたダウンロード可能なSIGGRAPH versionである。
https://www.youtube.com/watch?v=oUKUP2s5_VY

以下は、この動画を含めたNASAの元記事の解説と補足。

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posted by hiroichi at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 海のこと | 更新情報をチェックする

2015年07月11日

科学コミュニケーションの全体像

2015年7月12日14:30 一部修正、追記

4月7日の前回の更新から3ヵ月が過ぎてしまった。3月末に退職した後、「毎日が日曜日」ではあったが、娘の結婚式の他、日本海洋学会和文誌「海の研究」の編集長業務、那覇で開催されたPAMS(太平洋アジア縁辺海研究)集会参加、幕張で開催された地球惑星科学連合集会期間中の地学教育フォーラム交流会や教育検討委員会などへの参加、他のいろいろな事が重なり、ブログ記事を書き上げる気分的余裕がなかったのが大きな理由である。

とは言え、この間、立ち続けに開催された科学コミュニケーション関連イベントのいくつかに参加したり、SNSでの知人たちと意見交換する中で、以下の思いを強くした。

ここ数年、いわゆる「科学コミュニケーション」活動と呼ばれるイベントが盛んにおこなわれるようになった。そのためか、科学コミュニケーション活動に強い関心を持つ学生も増えてきたように思う。しかし、多種多様な「科学コミュニケーション」活動の各々が様々な問題を抱えているのみならず。また「科学コミュニケーション」全体像が不明瞭である。このことが、「科学コミュニケーション」活動にこれから取り組もうと考えている人たちに戸惑いを与え、「科学コミュニケーション」活動を始めることへの躊躇を招いているように思われる。このような状況を何とか改善し、多くの学生や若人が「科学コミュニケーション」活動に参入できる環境を整える手助けをするのが、年寄の役目であろう。

このような思いの下、わが国の科学コミュイケーションの全体像について考えたことを以下に述べる。
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posted by hiroichi at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学リテラシー | 更新情報をチェックする

2015年04月07日

学位の名称


4月9日18時から東京大学本郷キャンパスで科学コミュニケーション研究会第30回関東支部勉強会が開催される。『現代の事例から学ぶサイエンスコミュニケーション 科学技術と社会とのかかわり, その課題とジレンマ(4月6日刊)』の監訳者のお一人である加納圭さんが本書の解説をされるという。この本の第10章「サイエンスコミュニケーションにおける学びを助ける」を翻訳されている都築章子さんには、海洋学会教育問題研究会主催の「COSIA(海洋科学コミュニケーション実践講座)体験ワークショップ」でお世話になっていることもあり、是非とも参加したいと思っている。

そのつもりであれこれ考えてみると、退職後の名刺をまだ作っていないことに気付いた。この10年間の名刺は勤務先が定めていた既成のデザインのものを使っていたため、久々に自分で名刺原稿の制作から初めた。当初は、氏名、住所、メルアドだけで良いと考えたが、今後の科学コミュニケーション活動を考えると、学位、専門、個人ウェブサイト、本ブログ、その他の情報も記す方が良いと考えた。

その中で、学位の名称をどうするか迷った。迷った理由は、最近、ある人から「(管理人から)初めて受け取った名刺には京大理博と書かれていたが、どうして理博だけではなく、大学名を付けていたのか?」との質問を受けたことによる。結局、新しい名刺では、正式名称の「理学博士(京都大学)」を使うことにした。以下はその理由など。

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posted by hiroichi at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | 更新情報をチェックする

2015年04月02日

海洋研究開発機構を退職しました

昨年5月に65才となり、これまで勤めていた海洋研究開発機構を規定により3月31日付けで退職しました。

当面は無職の年金暮らしです。

とはいえ、今年度からしばらくは日本海洋学会和文誌「海の研究」編集委員会委員長として、わが国における海洋学研究の普及と推進に微力を尽くして、学会を通してお世話になった諸先輩に恩返しをしたいと思っています。

また、「豊かな想像力」と価値観の多様性を容認する「広い心」を持ち、自分の主義・主張・体面に拘泥することなく、「合意形成」のための「対話」を重視する人が一人でも多くなることを願って、これまでと同様に、海洋教育普及を含めた種々の科学コミュニケーション活動を本ブログや海洋学会内外で続けます。

科学コミュニケーション関係で退職者を対象とした働き口があれば働きたいと思っています。

いずれも自分一人では何もできません。皆様のご支援、ご助力を宜しくお願い申し上げます。

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posted by hiroichi at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする