新年を迎え、本年の皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
本年の年賀状に記載しました文章を以下に再掲し、ご挨拶と致します。
旧年4月から無所属となりましたが、海洋学の研究・教育の普及活動と科学コミュニケーション活動、理科教育・科学技術・震災復興政策に関連する種々のイベントに参加する機会や、美術館・博物館・茶席でゆっくりと時を過ごす機会が増え、充実した日々を過ごしております。今後も、焦らずに、自分で出来ることを、仲間とともに、楽しく続けていきたいと思っています。
「豊かな想像力」と価値観の多様性を容認する「広い心」を持ち、自分の主義・主張・体面に拘泥することなく「合意形成」のための「対話」を重視する人々が一人でも多くなることを願っています。
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昨年の各活動の概要と今年の目標ほか、年賀状に記すことができなかったことを以下に補足します。
1.海洋学研究の普及活動
日本海洋学会和文誌「海の研究」編集委員会委員長として、2カ月毎に発行する「海の研究」掲載論文の最終編集、総説の原稿依頼、投稿規定の改訂、委員会内での編集手続きの確定、EBSCO社との契約締結、などをおこなった。
今年は、昨秋の編集委員会での決定に従って、これから海洋学研究分野に進んで卒業・修士論文に取り組もうとする学生向けに、これまで「海の研究」に掲載された論文のチェックリスト(講読ガイド)を作成する作業を進める。
「海の研究」編集委員会委員長は日本海洋学会会長を補佐して実務を担う学会幹事会の一員でもある。現役時代には学会の運営についてほとんど何もしていなかった罪滅ぼしとして、できるだけのことはしたいと考えている。
2.海洋教育の普及活動
日本海洋学会教育問題研究会の世話役としていろいろな活動をした。
次期学習指導要領の中に海洋に関する教育を顕わな形で取り込むための道筋を求めて、11月8日には理数系学会教育問題連絡会が主催するシンポジウム「理数系教育におけるアクティブ・ラーニング」に参加し、12月5日には東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと日本財団が共催する第3回全国海洋教育サミット「海洋教育の未来」に参加して、ポスター発表「小学校理科第4学年単元『海を考えよう』の提案」をおこなった。今年3月末までに、関係学協会と共同して、次期学習指導要領の中に海洋に関する教育を含む提言を取りまとめ、関係者に提出したいと思っている。
昨年6月には、本年8月に三重県で開催される国際地学オリンピックに向けて、海洋学会会員が希望・提案する高等学校での出前授業開講を海洋学会が斡旋する事業をおこなった。学会MLに告知したところ、何人かの若手の学会会員から出前授業の申し出があった。このような出前授業の斡旋を今後、若手会員が担当責任者となって継続的におこなう話が進行中であり、喜んでいる。
昨年8月には「女子中高生夏の学校2015」に海洋学会のポスター展示・実演の支援と他のイベントに2014年に続き参加した。全国から参加した女子中高生とその付添い教員・保護者および主催者側のサポーターの方々の熱意に接し、毎度のことながら、大いに力付けられた。おそらく今年も参加する。
昨年11月14・15日に開催されたサイエンスアゴラ2015ではブース出展「わたしたちの生活と海の研究」の企画責任者を務め、多くの研究会会員の協力を得て実施した。準備はそれなりに大変だったが、当日、来場した親子連れや熱心に我々の話を聞いていただいた方々、初めて参加した研究会会員の反応を見て、この活動の必要性を実感した。今年も、多分、サイエンスアゴラに出展することになると思う。
3.科学コミュニケーション、理科教育活動
無所属となって、気ままな日々を過ごすことができるようになったこともあり、4月以降に種々の科学コミュニケーション活動に参加した。
サイエンスカフェでは、海洋学会2015年度春季大会と秋季大会の期間中に開催された「海のサイエンスカフェ」に支援者として参加したほか、5月29日の「memeで科学バー」、6月19日と8月21日の「冨山堂インターナショナルサイエンスカフェ」、6月20日と7月11日の「ソラオトサイエンスカフェ」、7月20日の「りかぽんカフェ」、9月20日の「GEMS Cafe特別編」、10月17日の「ゆるっとカフェ」、11月28日の「なつめサイエンスカフェ」に一般参加した。実際に様々なサイエンスカフェに参加して、旧知の仲間との語り合いや、新たな出会いによって、楽しい一時を過ごすことができたものの、サイエンスカフェの多様なスタイルに接し、改めてサイエンスカフェ活動の意味について考える機会が増えた一年でもあった。
昨年の大きな変化は11月から「理科の探検(Rikatan)」編集委員会?に参加したことである。編集委員(ボランティア)の募集を関連MLで知り、現編集委員に海洋関係者がいないようだったので、海洋関連記事について貢献できれば良いと思い、応募した。現在、
4.美術館・博物館・茶席
鳥獣戯画展、ルネ・マグリット展、その他に行った。週末に比べて人出が少ない週日に美術館などへ行くことができるのは、無業者の特権だと思う。
11月3日には東京都江戸川区行船公園内の源心庵で東京心茶会担当で平成27年度心茶会年次茶会を催したほか、10月11日には東京大茶会2015の浜離宮恩賜庭園会場での茶席に、12月19日には五島美術館での年末茶会に参席した。茶道を楽しむ多くの方々との茶席での交流を通して、管理人が学生時代に接してきた「茶道の哲学」について心茶会会員外の方々と語り合う場が必要ではないかという思いが強くなっている。
5.おわりに
前回の9月17日の更新から3か月半が過ぎてしまった。昨年3月末の退職で自分の時間ができるのでブログを更新する頻度が増えりことを予想したが、上に述べたように、これまでは参加したくても出来なかったいろいろなイベントに参加することを優先してしまった結果、ブログ執筆が滞ってしまった。
科学技術政策、理科教育、戦争法案などをめぐる議論がネットで飛び交う中、発言したいことは沢山あったが、ツイッターでの情報提供に止まっていた。それは、
「豊かな想像力」と価値観の多様性を容認する「広い心」を持ち、
自分の主義・主張・体面に拘泥することなく「合意形成」のための「対話」
を重視する人が少なくなっており、ブログでより丁寧な議論を提示しようと、あれこれ考えている内に時間が経ってしまったためである。
今年は、その折々の自分の思いを記録するためにも、より頻繁なブログ更新を目指したい。