拙ブログ関連記事:
2008年10月27日 「安全。だから安心」となるために
1.発端
管理人からの13日未明の最初のTweet:
hiroichik: 花王の食用油「エコナ クッキングオイル」について、新聞記者としての問題意識が欠如した発言。【毎日jp】憂楽帳:ハムレット http://bit.ly/7hgIzA
12:40 AM Jan 13th from web
これに対し、翌13日昼に、管理人の数少ないフォロアーのお一人であるha_marieさんから以下のTweetがあった。
ha_marie: 【関連記事】の「記者の目 小島正美」を読ませるための導入か RT @hiroichik: 花王の食用油「エコナ クッキングオイル」について、新聞記者としての問題意識が欠如した発言。【毎日jp】憂楽帳:ハムレット http://bit.ly/7hgIzA
12:07 PM Jan 13th from movatwitter
管理人のTweetは印刷紙面記事についての指摘であり、毎日jp掲載記事について言及したのではなかった(このことを、13日夜にTweetで指摘した)。しかし、このことを明記していなかったため、管理人のTweetの対象が毎日jp掲載記事であるとha_marieさんは誤解され、この毎日jp掲載記事に関連記事としてリンクされていた「2009年12月17日 0時15分 記者の目:エコナ問題、もっと科学的論議を=小島正美」に注目してのTweetであった。この関連記事へのリンクが手動なのか、自動であったのかは不明。なお、本ブログ記事を作成するのに際し、改めて毎日jpにアクセスしたが「記者の目」の記事へのリンクは消去され、元記事も検索不能になっていた(完全に削除されたようである)。ただし、以下のサイトで閲覧できる。
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1260986858/
このha_marieさんのTweetへ、13日午後に、akitoriさんから小島正美記者の過去の発言についての以下のコメントから発信された。ここから思わぬ方向に話は展開した。
akitori: 「市民が誤った判断をするのは知識が足りないから」と小島氏が公言してるのを聞いたことがあるのでどうも好きになれない RT @ha_marie: 【関連記事】の「記者の目 小島正美」を読ませるための導入か RT @hiroichik: http://bit.ly/7hgIzA
3:35 PM Jan 13th from Tween
2.展開
以下のha_marieさんの返答に、13日夜にはK_Tachibanaさん、その後に、h_hirakawaさんが加わった。
小島正美記者の「GM(遺伝子操作)作物に反対する(=誤った判断をする)のは正確な知識を持っていないからだ」という発言に対し、信頼・信用されていないことが反対を生んでいるというK_Tachibanaさんの指摘があり、h_hirakawaさんも同意。さらに、h_hirakawaさんが、小島正美記者は以前は「GM作物は危険」という立場であったことの指摘。さらにSteman_Jschoolさんが、「正しいことを信じてもらう」ためには、「正確な知識を持っていない人」がいることを前提にする必要のあることを指摘。
ha_marie: いかんね RT @akitori: 「市民が誤った判断をするのは知識が足りないから」と小島氏が公言してるのを聞いたことがあるので好きになれない RT @ha_marie:「記者の目 小島正美」を読ませる導入 RT @hiroichik: http://bit.ly/7hgIzA
3:50 PM Jan 13th from movatwitter
akitori: GM作物に反対する人は正確な知識を持ってないからだと言ってました RT @K_Tachibana: 彼 お茶大の社会人再教育講座で講義持ってたかもRT @ha_marie: いかんね RT @akitori:「市民が誤った判断をするのは知識が足りないから」と小島氏が公言
8:54 PM Jan 13th from Tween
akitori: 同感です。農水省のシンポでの発言だったので、この人は御用記者かと思いました RT @K_Tachibana: 信頼されてないことが先だと思います RT @akitori GM作物に反対する人は正確な知識を持ってないからだと言ってました RT @ha_marie:
10:00 PM Jan 13th from Tween
h_hirakawa: 正確な知識は持ってないのは事実だろうけど、それが反対の理由とは限らないし、信用なければ正しいことも信じてもらえませんからね。RT @K_Tachibana @saiensuki RT @akitori:GM作物に反対する人は正確な知識を持ってないから RT @ha_marie:
10:00 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: もしかしてM紙の?彼は10年くらい前までは「GM危険」な記事書いていたような。RT @akitori: 同感です。農水省のシンポでの発言だったので、この人は御用記者かと思いました RT @K_Tachibana: 信頼されてないことが先だと RT @ha_marie:
10:04 PM Jan 13th from TweetDeck
Steman_Jschool: 「無自覚に欠如モデルを実践するアクター」は問題だけど、そうしたアクターを前提としてシステムを考えなきゃですな。>TL: 「GM作物反対派は知識不足だから」
10:05 PM Jan 13th from TweetDeck
akitori: そうM紙です。じゃあ昔は正確な知識もなく記事を書いてたってことですねw RT @h_hirakawa: もしかしてM紙の?彼は10年くらい前までは「GM危険」な記事書いていたような。RT 農水省のシンポでの発言だったので、この人は御用記者かと RT @K_Tachibana:
10:12 PM Jan 13th from Tween
h_hirakawa: 故に「改心(回心)」なされたのではないかと。RT @akitori: そうM紙です。じゃあ昔は正確な知識もなく記事を書いてたってことですねw RT @h_hirakawa: もしかしてM紙の?彼は10年くらい前までは「GM危険」な記事書いていたよ RT @K_Tachibana:
10:14 PM Jan 13th from TweetDeck
3.発展
小島正美記者が「GM作物は危険」という立場から受け入れる立場に変わった経緯を語った、2005年8月の「アルミニウムと健康」連絡協議会講演会での講演記録が掲載されているサイトhttp://www.aluminum-hc.gr.jp/p_1/index2.htmlが13日22時30分頃にohira_yさんから紹介される(Steman_Jschoolさんは小島正美記者の発言を擁護する立場から同じサイトを紹介するつもりであった)。その内容を読んで、akitoriさん、h_hirakawaさんは小島正美記者の講演内容に納得。
小島正美記者は、その講演の中で、研究者・企業が記者を対象としたセミナーを開催することの重要性を指摘している。これは重要な情報と思う。しかし、管理人としては、その他の小島正美記者の講演内容には論理展開に首肯できない箇所がいくつかあり、賛同できない。小島正美記者は、基本的には、懐疑的思考あるいは科学の営みについての理解が乏しいように見える。
h_hirakawa: おぉーー!ありがとうございます!RT @ohira_y: 転向の経緯はこちらに http://bit.ly/8lQ9Ha RT @h_hirakawa: 故に「改心(回心)」なされたのではないかと。RT @akitori: そうM紙です。じゃあ昔は正確な知識もなく記事を書いてたっ
10:36 PM Jan 13th from TweetDeck
Steman_Jschool: 「TLを欠如モデル批判が流れているけど、メディアのリスク報道姿勢としては至極まっとうだと思う」って擁護のため、まさにこのURLを貼り付けようとしてたw RT @h_hirakawa: @ohira_y: 転向の経緯はこちらに http://bit.ly/8lQ9Ha
10:41 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: まぁ、自分も今流通してるGM作物に関しては、食べるのは全然問題ないと考えているのだが。ただ、米国のような風土以外の場所で大規模栽培したときの生態系影響の評価はまだ不確実性が大きいし、途上国での栽培も経済的条件等があって、いろいろ問題があるだろうな、ということで「慎重派」の立場。
10:42 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: あ、おいらもいま読んで、「あ、記者としてちゃんとマトモじゃん」と思ってつぶやこうとしてた。RT @Steman_Jschool: メディアのリスク報道姿勢としては至極まっとうだと思う」って擁護のため、まさにこのURLを貼り付けようとしてた http://bit.ly/8lQ9Ha
10:44 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: 実際これの「(メディアの)リスク増幅効果」の話はBSE報道にもぴったり当てはまるし。(自分自身の立場は、BSEリスクは「米国はけっこう灰色」そして「中国は真っ黒に近い灰色」なんだが、それは置いておいて。) http://tinyurl.com/yfdbhdx
10:47 PM Jan 13th from TweetDeck
Steman_Jschool: .@h_hirakawa 結局、最近のSTSにおける「欠如モデル再評価」の流れと同様ですよね。実感としては、「専門知識を持った側は欠如モデル成分は控えめに。しかしそれを伝える(メディア等の)<半>専門家は欠如モデル成分も意外と必要ですよ」ってとこかと。
10:49 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: 欠如モデル含め、何事も「使いどころ」次第ですね。RT @Steman_Jschool: 「専門知識を持った側は欠如モデル成分は控えめに。しかしそれを伝える(メディア等の)<半>専門家は欠如モデル成分も意外と必要ですよ」ってとこかと。
10:51 PM Jan 13th from TweetDeck
akitori: ありがとうございます。これを読むとなるほどと思いますね。悪いのは彼をプロパガンダに利用した農水省かな? RT @ohira_y: 転向の経緯はこちらに http://bit.ly/8lQ9Ha RT @h_hirakawa: 故に「改心(回心)」なされたのではないかと。
11:03 PM Jan 13th from Tween
4.農水省のGM事情、その他
akitoriさんの「悪いのは彼(小島正美記者)をプロパガンダに利用した農水省かな?」というTweetから、GMに関わる農水省の内部事情や、それに関わるh_hirakawaさんの授業予定に発展。
h_hirakawa: ちなみに農水省的にも、GMやってる部局は省内でけっこう鬼っ子的な扱いを受けてる印象があります。中の人の話聞いてると。(ある意味同情したくなりますww) RT @akitori: 悪いのは彼をプロパガンダに利用した農水省かな?
11:09 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: よーするに、一方で省挙げて「国産=安全安心」とかやってるのに、そこに消費者イメージの悪いGMの話が持ち上がってくるとやりにくいと。RT @K_Tachibana: GMOが鬼っ子?? RT @h_hirakawa GMやってる部局は省内でけっこう鬼っ子的な扱いを受けてる印象
11:17 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: そういえば何年か前にローマのコーデックス委員会にヒアリング行ったとき、厚労省から出向してる職員の方が、「GMのリスク評価は日本は相当にしっかりやってる。米国はゆるいけど」と言っていた。実際、当時、日・米・EU等のリスク評価規準の比較調査をやったことあるけど、一部は欧州より厳しい。
11:24 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: 日・米・EU等の食品リスク評価基準の比較調査の報告書はこちら(英文ですが)。"Risk-Assessment Policies: Differences across Jurisdictions" http://tinyurl.com/yk9tv93
11:27 PM Jan 13th from TweetDeck http://twitter.com/h_hirakawa/status/7709576435
h_hirakawa: まぁ、省としても、GM推進担当でない限りは「消費者がイヤというものは売れない」というのが基本ですから。RT @K_Tachibana: 生物多様性云々の話ならわからなくはないけど,安全安心とGMOのそりが合わないこと自体が不思議ですね
11:28 PM Jan 13th from TweetDeck
h_hirakawa: あ、それはいいかも。参加しはります?RT @ha_marie: 面白そう。ディベート形式はどうでしょう? RT @h_hirakawa: 来週の火曜日の授業は自分担当で、たしかリスクの話をする予定だったような。こんにゃくゼリーのネタを皮切りにしてディスカッションにしちゃおうかな。
2:42 PM Jan 14th from TweetDeck
h_hirakawa: 来週の授業のお題。「リスクの話はなぜ人によって・立場によって食い違うのか?」について、みんなに好き放題議論してもらおうかな。こっちもいろいろ発見があって面白そうだし。
3:09 PM Jan 14th from TweetDeck
5.おわりに
上の記事で引用させて頂いた各Tweetを発信された皆様に感謝します。
Twitterでの話題の発展の早さと豊富な追加情報の流入には驚かされた。これがTwitterの醍醐味なのかもしれない。この会話の激流の中には、有用な情報もあるが、無意味な情報も多々ある。そういう意味では、単なるお喋りに過ぎないともいえる。重要な情報も、何もしなければ、大量のTweetの中に埋もれてしまう。本当に重要な情報は、多くの人の目にとまり、広まるという淘汰過程が作用するのかもしれないが・・・。
今回の一連のTweetsで、小島正美記者による2005年8月の「アルミニウムと健康」連絡協議会講演会での講演記録の存在を知ることができたのは良かった。後日、熟読して、検討したい。
確かに勘違いしてました。ウェブを見られていたとばかり思ってました。なので、13日のtweetには反応できず・・・
で、ワタシの最初のつぶやき「導入か」は、(お分かりと思いますが)新聞社の意図を指摘したものです。
それにしても、あの流れはすごかったですね。ワタシも実はタイムラインに貼り付く状態じゃなく、あとから見てビックリしてました。
では、今後ともよろしくお願いします。
今回の記事の発端となった私のTweetへの応答をありがとうございました。改めて、御礼申し上げます。
Twitterを初めてまだ間がない私の言葉足らずのため、ha_marieさんの誤解を生んでしまいましたが、これが引き金となって、多くの方が参加した会話に発展し、良かったと思います。ブログでの発信では、これほどまでに展開しなかったと思います。
タイムラインの激流に流れ去るTwitterと、長文の記述、引用、TBが可能なブログをうまく結合させれば、面白いことができそうな予感がしています。
今後とも、宜しくお願いします。