今回の航海では、黒潮続流域における大気海洋相互作用の観測研究の一環として、以下の日程で作業を行う予定です。
1.仙台沖北緯38度線上でのXCTD観測(8月26、27日)
2.JKEOでK-TRITONブイの交換とブイ周辺でのラジオゾンデ・海上気象観測(8月28-31日)
3.漂流式GPS波浪観測ブイの投入
4.黒潮続流横断XCTD、ラジオゾンデ観測(9月1ー3日)
5.KEOブイの交換とブイ周辺でのラジオゾンデ・海上気象観測(9月4-7日)
6.野島崎沖黒潮横断XCTD観測(9月8ー10日)
7.航走海上気象・ADCP観測(全行程)
私が所属する研究チームからは、KYさん以下、NAさん、TKさんと私の3名が乗船して、主として、1、2、4、6、7の観測を行います。そのうち、最優先作業はK-TRITONブイの交換です。昨年11月に再設置したブイ(JKEO3ブイ)を回収し、別のブイ(JKEO4ブイ)を設置します。今航海で設置するJKEO4ブイには、JKEO3ブイに装着していた各種センサーに加えて、気圧データとこれまでの観測でしばしば欠測となった気温・湿度データの補完のために新たな記録内蔵式気象センサーを取り付けています。また、巨大波の観測を目指して、ブイの動揺をGPSで測定する装置も取り付けています。
回収を予定しているKEOブイは、昨年9月の「かいよう」航海で設置したブイです。今航海での作業には、PMEL/NOAAから昨年も乗船したRKさんと、今回、初めて来日したKRさんが乗船します。今航海で設置するKEOブイには、新たに表層近くの流速分布を測定するADCP(音響ドップラー多層流向流速計)を装着するとともに、水温・塩分センサーの数を増やして水中観測機能が強化されています。
漂流式GPS波浪観測ブイの投入は、昨年の航海での実施を予定していましたが、直前の船上での動作試験で不都合が発見されたため、投入を断念したものです。風速計を追加して機能を強化したブイを投入します。このブイ投入のために、昨年と同じくTHさんが乗船します。
現在、日本のはるか南東にある台風10号が観測海域に接近する恐れはありませんが、南の海上には低気圧が散在しており、安心はできない状況です。
拙ブログ関連記事:
2007年10月17日 船内生活
2008年09月02日 9月2日から19日まで航海中
2008年09月21日「かいよう」2008年9月航海終了