この航海で回収する海面係留ブイは、昨年2月に、米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration, NOAA)の太平洋海洋環境研究所(Pacific Marine Environment Laboratory, PMEL)と共同で、仙台東方沖約400kmのJKEOに設置したブイ(制作:PMEL)である。1年間の観測期間を終えて、今年2月末に「みらい」で回収する予定であったが、海が大時化だったために回収できなかったものである。なお、2月末の航海では、今回回収するブイの代替として、海洋研究開発機構が独自に開発・制作したK-TRITONブイを既にJKEOに設置済みであり、1時間ごとの風向・風速その他の観測データをリアルタイムで送信している。
船の運航には事前に多くの手続きと作業を要するため、通常は、前もって定められた年間計画に基づいて実施されている。このため、予定外の航海を新たに手配し、実施するのには非常な困難を伴う。今回の航海は、2月末回収の延期が確定した後、わずか3週間という短期間に多くの方々の善意溢れるご協力を得て、実現する運びとなった。関係者の皆様のご尽力に厚く御礼申し上げます。
「みらい」は、この航海の後、28日に「横浜ワールドポーターズ、横浜赤レンガ倉庫」そばの横浜新港埠頭に接岸し、30日10時から16時(受付終了)までの「みらい」「かいれい」就航10周年記念船舶一般公開の準備に取り掛かる。この行事とは別に、管理人が準備の一部を担当している日本海洋学会教育問題研究部会主催の「第1回 海のサイエンスカフェ」が30日11時から13時にルノアール品川東口店で開催される。
ご都合がつけば、30日は品川と横浜で海尽くしの一日をお楽しみください。