NHKの番組HP内の過去放送記録サイトに掲載されている「ディレクター観戦後記」と「プロデューサーの編集後記」を読んで、その源に気付いた。
「ディレクター観戦後記」での、
地位も名誉もある先生方が、テレビの収録で、自分たちの専門分野以外の話を、思いつき(野矢先生の言葉を借りてですが)で話すことは、非常に勇気がいることだと思います。と、「プロデューサーの編集後記」での、
俗世間から遊離して、普段は学問の世界と真摯に戯れる賢人たちだからこその談論風発、四方山話。みなさんはいかがお聞きになりましたでしょうか?という記述に引っかかった。上の言説は、出演者の人たちの意図・意識とはかけ離れていると思う。
結局、この番組は学問の世界と真摯に戯れる、地位も名誉もある賢人たちを紹介するというスタンスなのだと思う。このようなスタンスで制作された番組では、残念ながら、世間と科学者あるいは科学そのものとの間の溝が埋まることがないように思う。
その点、「爆笑問題の対戦感想」での
太田:うーん、やっぱりだから、そこまで行けなかったんだけど、最終的には最初に出たヒーローって何だろうっていうところは、何ていうのかな。ある意味テレビっていうメディアのあり方そのものに問題を突き付けられたようでもありましたね。自分でも出演する立場として、やっぱりそこが一番気になるところだから。そういう意味では、いまだにちょっとモヤモヤした部分があります。という記述には、まだ救われる感がある。
田中:ちょっと消化不良?
太田:まあ、消化不良っていうわけでもないんだけどね。まあこれは、どこまで行けばはっきりするのか分からないけれども…。教授陣もやっぱり、テレビを含めた世間との関わり方でいろいろと考えるところがあるんだなっていうのは思いましたね。