今度の航海では、約1年間かけて準備してきた海面係留ブイ(K-TRITON)の実海域係留試験を黒潮続流の南側で約1週間行う予定である。実海域係留試験で動作を確認した後、細部を調整し、来年2月末には黒潮続流北側で現在稼働中のブイ(JKEO)に代えて、約1年半の予定で本観測を行うことを計画している。
また、黒潮続流の南側では、米国海洋気象庁(NOAA)太平洋海洋研究所(PMEL)のブイ(KEO4)も設置する。予定通り作業が進むと、K-TRITONとKEO4の2基のブイによって、空間分解能が約50kmの人工衛星リモートセンシングデータから推定される海面熱交換量の精度向上に有効な、約20km離れた2点での10分毎の同時海上気象観測データを約5日間について得ることができる。
今航海では、その他に、黒潮続流域の洋上で、人工衛星リモートセンシングデータから推定される海面水蒸気量の精度向上のためにラジオゾンデによって水蒸気量の鉛直分布を測定する。また、黒潮続流の北側では、JKEO搭載センサ-の交換とJKEO周辺での海上気象観測を行うとともに、東北海区水産研究所が定期観測を行っている北緯38度線上で海洋観測を行うことを計画している。
24日間の航海期間中に台風の影響があるのは覚悟しているが、当初の実施計画をできるだけ多く遂行したいと思っている。