2007年04月01日

2007年度日本海洋学会春季大会

月に4件はエントリーすることを目標にしていたが,3月は5日と11日の件のみで終わってしまった.19・20日の平成18年度IORGC/FRCGC合同成果発表会,22日から25日の海洋学会,28日の日米地球科学及び地球環境リエゾン会合での講演準備と参加,4月に開催される平成18年度評価委員会のための資料の作成等の作業に追われたのが主な理由である.30日午後のグループ月例会と夕方からのIORGC送別会も終わり,31日中に何とかエントリーしようと思ったが,怒涛の3月を終えた安堵感に浸っている内に時間は過ぎてしまった.

昨年の春の学会は大会事務局の一員として慌しく過ごしたので,今年はのんびりと学会を楽しめると期待していたが,26日締切の資料作成他が重なって落ち着かず,そうはならなかった.


22日には,海洋学会教育問題研究部会主催で開催したシンポジウムに参加した.そこで,S大学の「特色ある大学教育支援プログラム」の主担当者として情報収集のために出席していた大学学部時代からの旧友のES君に久々に学会で再会した.シンポジウムでは,大学の一般教養課程に用いる「海洋学の教科書」を学会70周年記念までに刊行することなどが決まった。このシンポジウムには,昨年の「研究船にのって海を学ぼう」に参加した高校生11名が出席していたが,その一人が「なぜ一般教養向けの海洋学の教科書を今,作るのか」との問があって,各部会員の海洋学普及・教科書制作への熱い思いが語られた.その中でMKさんが「海洋と一般社会との繋がりは,今までは希薄であったが,近年には密接になったため,海洋についての正しい理解を普及させることが不可欠となった」というようなことを述べられたのが印象深い.また,潮汐を教科書に含めるか否かの議論から,高校の総合理科Bや小中学校での理科教育の内容の問題点について議論が白熱した.今後のアウトリーチとして学会主催でのサイエンスカフェの実施,日本化学会が行っている「論説」のような場を「海の研究」や学会HPに設けて,海洋学コミュニティーからの情報や意見を発信する仕組みの創設,他を私から提案し,賛同を得た.提案者として,それらの実現に向けて,今後,具体的な行動を起す決意を新たにした.

夜は毎年春の海洋学会時に開催される前職場の研究室の卒業生や教え子達と楽しい一時を過ごした.教え子達が元気に活躍している様子を聞く度に,自分にとって,大学教員であったことが如何に貴重な経験であったのかを再認識させられる.

23日午後には口頭発表を久々に行った.夕方の評議員会では,水産系大学・学部所属練習船の代船建造が重大な問題となっていることが話題になった.24日は「みらい」乗船中のTHさんの代理でポスター立会い説明.その後は,28日の会議で用いる資料の作成,その他のため,中座.25日午後の総会では教育問題検討部会で中心的役割を果たされているKMさんが学会賞を受賞された.また,私が大学院学生時代に行っていた研究テーマと同じ風波についての真摯な実験研究活動を通して,多くを学んだMH先生が宇田賞を受賞された.日高論文賞は,学部時代に隣の気象学講座に所属していた頃から交流のあったIHさんが受賞した.夜の懇親会では,昨年秋の学会には乗船中で参加できなかったこともあって,久々に旧知の方々と歓談した.26日には,私たちの今後の研究と密接に関連するシンポジウムが開催され,KMさんが黒潮続流域での海面熱フラックス観測に関わる発表を私他と連名で行ったが,私は,28日の会議資料作成,そのた他を研究室で行わなければならなくなり,出席を断念した.また,26日夕方に開催された水産海洋学会総会にも欠席してしまった.

25日朝には,2000年の白鳳丸航海でご一緒した川口弘一先生(東京大学名誉教授)ご逝去の報に接した.海鳥の観察のため,お一人で乗船されていた.飄々と船上の日々を過ごしておられた.ある夜,私の部屋にソーメンを持参されて,二人でハダカイワシのことなどについて楽しく歓談したことを懐かしく思い出す.ご冥福をお祈り申し上げます.合掌.
posted by hiroichi at 12:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
3月のエントリー数を1件から2件に修正しました.
日本化学会の「論説」へのリンクを貼りました.
Posted by hiroichi at 2007年04月01日 17:28
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